22年前のお話です。
ほんの少しですが指名のお客様もちらほら。この「ほんの少し」の怖さです。お客様の絶対数が少ないという事は、予約の多い、少ないが極端になります。
そんなある予約が多い日の出来事です。1人目のお客様スタート。2人目、3人目と進むにつれて、今カットをしているお客様、仕上げを待っているお客様、カットを待っているお客様、セット面にズラッと並び始めます。そして飛び込みで指名のお客様。いくら急いでも、焦っても、どうしても追いつきません。
ついに飛び込みの指名のお客様は帰って行きました。「今日は、もうこれ以上、時間が・・・・・。」という言葉を残して・・・・・。
お待たせした何人ものお客様。この後の予定とか台無しにしてしまったかも?
帰ってしまったお客様。(カットした後どっか行くつもりやったんかな?それとも明日、何か予定が?デートとか?)
可愛くする?幸せにる?・・・・・ええカッコばっかりゆーてるだけやん。何してんねん俺・・・・・。何にもよーせんやん。
カワイクシタカッタ。シアワセニナッテモライタカッタ。
その日の営業後、ディレクターが食事に誘ってくれました。その夜、自分の不甲斐なさに涙が頬を伝いました。
「大作、今日は飲め。でもな今日の事は、絶対忘れんな。今日の事を忘れへんかったらお前は、ええ美容師になれる。」たくさん飲んだと思います。それ以降の記憶はあまりありません。
あくる日の朝、二日酔いの頭で「スタイリストデビューして、なんか勘違いしてた。俺なんか、まだまだ美容師ちゃう。」
その日を境にレッスンの時間が増えたのは言うまでもありません。
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